Newsletter Volume 31, Number 1, 2016

第10回ショートコースのご案内

千葉雅人

第10回ショートコース
臨床薬物動態予測を支える最新技術

実行委員長
大鵬薬品工業株式会社 薬物動態研究所 千葉雅人

学会ホームページにおいて事前参加登録を開始いたしました.
参加費の割り引きもございますので,締切の4月1日(金)までに是非お申込み頂けますよう宜しくお願いいたします.

ご挨拶

 日本薬物動態学会ワークショップの初日となる2016年5月12日(木)に,第10回ショートコースを千里ライフサイエンスセンターにて開催いたします.今回のワークショップのテーマにもありますように,薬物動態は医薬品開発に対して,「外に向かう」姿勢を大切にしながら,より実践的な貢献から明るい未来を開拓する局面にあります.そこで今回のショートコースのテーマは,「臨床薬物動態予測を支える最新技術」とし,前臨床探索段階から臨床開発開始へのブリッジングでの実践的な貢献について,実例を紹介していただきアクティブな議論の場を提供したいと考えました.

 創薬段階でしばしば認められる薬物動態の種差は,臨床開発候補化合物を選択する上で,また,前臨床研究データから臨床での薬効投与量を推定する上での大きなハードルとなります.臨床での体内動態を予測する方法論は,すでに,多くの学会やワークショップなどのトピックスとして取り上げられてきましたが,基盤技術や知識は日進月歩に発展していることから,薬物動態に携わる創薬研究者は,臨床薬物動態の予測精度に影響を与える種差のメカニズム解明と臨床への外挿性を考察するために,最新技術・学術知識を継続して把握することが重要だと考えられます.

 そこで,今回のショートコースでは,薬物動態を4つの過程(吸収,脳内移行性とトランスポーター,肝クリアランス,肝トランスポーター)に分類して,製薬企業,大学,ライフサイエンス企業から幅広く演題を募集し,革新的な評価技術基盤の構築,種差に関する最新の学術情報,ならびに実際の創薬への応用の実例を通して,前臨床研究から臨床へ薬物候補化合物の開発を推進する過程での薬物動態研究の貢献を紹介していただくことにしました.この場を借りて,ご協力いただいた関係者の皆様に御礼申し上げます.

 今般の新しい技術と応用の進展を実感いただき,臨床開発候補化合物の的確な選択と,臨床薬物動態の予測の精度向上につながる活発な議論がなされることを期待しております.例年通り,研究者によるフランクな議論ができる会合ですので,多数の皆様のご参加を心からお待ちしております.