はじめに
新しく2025年が始まり,本ニュースレターも第1号を迎えました.今年もさまざまな出来事が世界を動かしています.ガザ停戦やトランプ前大統領の再登板が話題となる一方,ロシアによるウクライナ侵攻で始まった戦争はいまだに終結を迎えていません.国際情勢の不安定さを日々感じる中で,科学技術の発展が平和と持続可能な社会にどのように貢献できるのかを改めて考えさせられます.
私自身,4月からの英国での共同研究に向けて引越し準備を進めていますが,スエズ運河の通行制限により船便の輸送に4~5カ月を要すること,ロシア上空を飛べない影響で航空輸送コストが数年前より大幅に上昇していることなどを耳にし,世界の動きが身近なところに影響を及ぼしていることを実感しました.
先日,恩師とお話しする機会があり,「世界を知るだけでなく,世界の研究者の輪の中に入り,対等に議論することが大切だ」との言葉をいただきました.薬物動態研究の分野においても,国際的なネットワークを築き,研究を発展させることの重要性を改めて感じています.JSSXとしてもISSXとの連携をさらに深めつつ,個々の研究者が積極的に活動できる環境を築いていくことが重要と思います.今年のJSSX年会は京都で開催されますが,対面での活発な議論を通じて,新たな発見やつながりが生まれることを期待しております.
本ニュースレターでは,最新の研究成果や学会活動の報告など,皆様に有益な情報をお届けして参ります.引き続き,ご支援・ご協力のほど,どうぞよろしくお願い申し上げます.(T.Y.)
【動態研究に取り組むNEW POWER】
- 世界一の薬物動態研究者を追いかけた先で見た,創薬民主化の最前線(土谷聡耀)
【今さら聞けない標的タンパク質分解誘導剤(Targeted protein degrader, TPD)の体内動態研究】
- 第1回:序論:Targeted protein degraderのコンセプト(大崎史雄)
【DMPK 60に掲載予定の論文一覧】
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