Newsletter Volume 36, Number 1, 2021
はじめに
昨年はコロナウイルスに始まり,コロナウイルスで終わった1年となりました.我々の大学では,感染防止を目的とした制限の中,「今こそ研究・教育を止めない」という考えのもと,学生と新しいやり方を試行錯誤してまいりました.講義については,ほとんどがオンライン授業となりました.その後の学生アンケートでは,オンライン受講についてポジティブな意見がほとんどでした.このため次年度より,対面(リアル)で講義をしながら,現地に来ることができない学生はオンラインで講義をうけるハイブリッド型授業をスタンダードとすることに決まりました.大学の外でもコロナ禍において数は少ないですが,前向きな話題がありました.全国的なテレワークの実施のみならず,私の住む市内では全小学生に対してタブレットの配布やIoTブロック(プログラミング教材)の利用が開始されるなど移行に数年単位の時間が必要なものが,わずか数カ月で実施されたデジタル・トランスフォーメーションの急速な進展がありました.また人の流れが抑制され車の利用が減ったことにより,大気汚染が著しく減少し,青空や星空が戻った都市などが報道されています.このようにNew Normalに適応していく一方で,一部都府県では緊急事態宣言が継続されるなど厳しい社会状況が続いており,気を緩めることなく感染リスクを低減させることが必要かと思います.DMPKならびにNews Letterは,会員の皆様の前向きな気持の一助となれるように,知的探究心を刺激する話題を提供したいと考えております.2021年も引き続き皆様のご支援をお願いしますとともに,ご意見・ご感想を編集委員会まで頂ければ幸いです.(T.H.)
特集記事のご紹介
トピックス
新規発見や手法の開発など学問の発展に伴い,医薬品等の研究開発から市販後の評価項目やその手法は絶えず進化しています.それに呼応して,日米欧の規制当局およびICH等からの規制情報も随時更新されています.ここでは,医薬品開発に用いる最新の技術・知見,医薬品審査の規制情報及びそれらに関連する情報のトピックスを紹介していきます.本記事を通じて,会員各位の業務に有効にお役立ていただければ幸いです.
NEW FACE – NEW POWER
「NEW FACE – NEW POWER」では,産学問わず今後の活躍が大いに期待される新任・若手の先生に御登場いただくことで,会員の皆様に広く先生を知っていただく機会とするとともに,新たな活力・刺激を本会にもたらすことを趣旨としています.そこで執筆いただく先生には,これまでの御略歴を含めて自己紹介をしていただくとともに,御自身の研究の展望や本会・本分野への期待・提言などを忌憚なく積極的に綴っていただくことをお願いしております.御登場いただく先生方はいずれも薬物動態学の将来を担う希望の星と期待されます.本コーナーが,本会において『新たな若いPOWERを全体で育んでいく風土』を醸成し,新旧会員の相互発展の一助となることを大いに期待しています.自薦・他薦問いませんので,是非本コーナーでの執筆希望を編集委員までお寄せください.