日米合同薬物動態学会
Symposium 6: Role of Transporters in Disease and DDI東京大学大学院薬学系研究科
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Jashvant Unadkat教授(University of Washington)とのco-chairで,薬物トランスポーターに関するシンポジウムを企画しました.
本シンポジウムでは,薬物トランスポーターの機能変化が生じる要因として,薬物相互作用と疾患の研究成果を紹介します.薬物相互作用については,すでに日米EU規制当局がガイダンス/ガイドラインを提示し,医薬品開発において定量的なリスク評価が行われています.しかし,現在の予測法には偽陰性・偽陽性も指摘され,特に後者の場合,臨床試験の実施が必要となることから,リスク予測を精緻化する技術開発が不可欠です.ここでは,新たな薬物トランスポーターと化合物の相互作用を評価するためのin vitro技術と,臨床開発の早期で薬物相互作用リスクを評価するための内因性バイオマーカーに関する研究を紹介します.薬物トランスポーターは膜上で輸送活性を示すまでに,転写,翻訳,翻訳後修飾など,種々の制御を受けることも明らかになってきています.ファーマコゲノミクス(PGx)はゲノム上の遺伝子変異に基づいて,発現の制御機構の発見に,また,プロテオミクスは翻訳後修飾を介した輸送機構の制御の発見に大きく貢献することが期待されます.特に,疾患時には,正常時と異なる発現・輸送制御機構が働くことで,トランスポーターの活性が増減し,薬効標的への薬物曝露が影響を受けることがあり得ます.PGxおよびプロテオミクスの両面から,この課題に対する最先端研究を紹介していただきます.薬物トランスポーターの最先端研究の成果を共有し,ぜひ皆さまの研究活動に役立てていただきたいと思います.
本シンポジウムはISSX-JSSX合同年会の中日,October 6 9:30~11:30に予定されています.皆様のご参加を,Unadkat教授とともに,お待ちしています.
Symposium 6: Role of Transporters in Disease and DDI
Co-Chairs: Jashvant Unadkat, University of Washington, Seattle, Washington, USA and Hiroyuki Kusuhara, The University of Tokyo, Tokyo, Japan
- ABC Transporters and DDIs
John Schuetz, St. Jude Children’s Research Hospital, Memphis, Tennessee, USA - Transporter PGx and Breast Cancer
Deanna Kroetz, University of California San Francisco, San Francisco, California, USA - Recent Advances in Biomarkers for Transporter-mediated DDI
Hiroyuki Kusuhara, The University of Tokyo, Tokyo, Japan - P-glycoprotein Activation at the Blood-brain Barrier as a New Potential Therapy of Brain Infarct
Yasuo Uchida, Tohoku University, Sendai, Japan