Newsletter Volume 35, 3, 2020

日米合同薬物動態学会

写真:山崎浩史

Symposium 10: Harmonization for DDI and PBPK Modeling

昭和薬科大学 薬物動態学研究室
山崎浩史

 医薬品の相互作用の検討方法については,国内外でガイダンス/ガイドライン案の提示と改訂が繰り返されてきた歴史があります.国内では,「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン」が2018年に最終化されました.その英文版が2019年にWEB公開され,海外から極めて注目を集めております.In vitro薬物相互作用の試験法を整理すると,ヨーロッパで2013年に最終化された一方,アメリカは2017年版ドラフトを2020年に最終化しました.今年2020年は,いわば日米欧三極の薬物相互作用ガイダンス文書の最終版が勢揃いしたタイミングであります.

 さて,試験を実際に行う産業界の立場からみて,被相互作用薬や相互作用薬の影響を見積る上で,試験範囲,方法や予測計算式の扱いが果たして統一されているでしょうか.英国アストラゼネカと米国メルクの両研究者に,さらなる調和を求めて,現状の相互作用研究の問題提起を,座長兼演者としてお願いしました.次いで薬物相互作用ガイダンス文書の国際調和の作業が控えております.ICH トピック&ガイドラインのひとつであるICH-M12 薬物相互作用は,ステップ1: 専門家作業部会でのガイドライン原案作成~合意の段階にあります.US FDAと日本PMDAのレギュラトリー部門の両担当者から今後の展望についてご発表いただき,セッション参加者と立場を越えて議論することをめざし,最終日午前中に本シンポジウムが企画されました.相互作用評価に関わる産学官ならびに医療に従事される多様な皆様のご参加をお待ちします.

Symposium 10: Harmonization for DDI and PBPK Modeling

Co-Chairs: Christine Fandozzi, Merck & Co., West Point, Pennsylvania, USA and Hartmut Derendorf, University of Florida, Gainesville, Florida, USA

  • Hot Topic #1 − Controversial Topic/places where Harmonization is Needed and Real Life Examples
    Venkatesh Pilla Reddy, AstraZeneca, United Kingdom
  • Hot Topic #2 − Controversial Topic/places where Harmonization is Needed and Real Life Examples
    Christopher Gibson, Merck & Co., USA
  • Perspectives towards ICH M12
    Lei Zhang, FDA, USA
  • Perspectives towards ICH M12
    Akihiro Ishiguro, PMDA, Japan