ベストポスター賞受賞者
第19回年会(金沢・石川県立音楽堂、金沢全日空ホテル;年会長 辻 彰)のポスター発表について、25名の選考委員(委員長:岩崎一秀)の投票の結果、下記の3題が、選出されました。
おめでとうございます。これを機会に益々研究に邁進されます様、心から祈念いたします。
17PE-16:
「CYP阻害作用スクリーニングを利用したTime-dependent inhibitionによる薬物相互作用の予測」
東田 敦子、加藤 基浩、名渕 義明 、満井 哲也 、高梨 賢二、麻生 良典
中外製薬株式会社
17PE-44:
「薬物吸収におけるP-糖タンパク質の濃度依存的な影響」
東 龍之介1) 、大津 尚子1)、野沢 敬1)、薮内 光 1) 2)、菊地 晃裕1)、玉井 郁巳1)
1) 東京理科大学薬学部
2) 株式会社ジェノメンブレン
18PE-04:
「PXRレポータアッセイを用いて臨床におけるヒトCYP3A4酵素誘導は予測できるか?」
森口 博行、白砂 謙奈、福永 泰久、寺村 俊夫、小林 伸一郎
山之内製薬株式会社 創薬研究本部 分析代謝研究所 創薬代謝研究室
(文責:大塚)
第19回日本薬物動態学会年会に参加して
廣瀬洋子 (共立薬科大学 薬剤学講座)
今回、初めて薬物動態学会年会に参加させていただきました。本学会のグローバル化ということで、年会講演要旨集も全面英文化され、口頭での英語発表が推奨されていたことから、私も英語で口頭発表を行いました。慣れないことでしたので準備にかなりの時間を要しましたが、発表後は達成感もさることながら、準備段階での努力が確実に自分自身の身になったことを実感しました。国内の学会年会において英語で口頭発表というのは、現在では珍しいことですが、今後更なる薬学の発展を考慮すると当然のことであり、他の学会も英語発表を推奨することを強く願います。また、この年会参加を通して、薬物動態領域における他分野の方の研究内容に触れ、テーラーメイド医療の確立や新薬開発に関して、pharmacogenomicsにおける薬物動態領域の重要性を再認識しました。今回の年会で得たものを糧に、今後も研究に勤しみたいと思います。今回の年会参加にあたり、ご指導いただきました先生方に感謝すると共に、今後の日本薬物動態学会の更なるご発展を心からお祈り申し上げます。
戸塚 善三郎 (株式会社日本医学臨床検査研究所 探索代謝研究室)
久しぶりに薬物動態学会年会に参加して、英文要旨集、英語での口頭発表に先ず驚いたが、今日の若者も研究がエキサイテイングで面白いので、その成果の英語発表は困難を克服してでもやれるのだと思った。日本のトランスポーターおよびCYP の研究は遺伝子・RNA・蛋白質の科学の進歩と共に厳しくも美しい競争を通じて発展してきていると感じた。今後のメタボロームの進歩によりバイオマーカーを明らかにする研究法が近い将来に確立され、薬効・毒性の評価法およぎ創薬研究法が変化する過程においても、トランスポーターおよびCYP の研究が貢献するのは間違いない。薬物と、薬効・毒性に直接関与している蛋白を中心とする生体成分との相互作用が、今後は細胞内での分子レベルで議論されるのも科学の進歩の宿命である。これらの研究には高感度・高分解能の最新のLC-LTQ-FT-MS が必要である。私はこれを使うために製薬会社を出てLC-MS 分析に特化したCRO に移り、やりたかったLC-LTQ-FT-MS によるトランスポーター、CYP、核内リセプター、癌のプロテオーム・メタボロームの共同研究に参画して数ヶ月であるが、それぞれの分野で重要な因子のヒットの連続で、若い研究者達と共に感動と興奮に満ちた薬物動態先端科学の研究の醍醐味を味わっている。
藤澤 正枝 (エーザイ株式会社 薬物動態室)
動態学会年会には、学生の頃から参加していますが、年々参加者および演題数が増加し、動態研究が日々発展していることを感じます。学生の頃と製薬企業の研究員となった現在では演題を見る視点が変わったものの、本学会に参加することは、最近の動態研究に関するトピック、新技術、新しい概念などの情報を得る良い機会と考えています。今回臨床研究へのBridgingを主眼においたシンポジウムやフォーラムは特に有意義でありました。ただフォーラムの時間がおしてしまったのは少し残念に思っています。非臨床研究において薬物相互作用(代謝酵素・Transporter)に関する実験系は確立されてきていますが、これらin vitro実験で得られたデータを基に臨床での予測をいかに行っていくのかは常に悩ましいところです。また一方、臨床で起こった事象を非臨床サイドから遡及的に説明をしていくことは創薬におけるリスクアセスメントを行う上で重要なことだと考えています。今回のシンポジウムでは私が常日頃課題として考えていたこれらの事象に対する実例が紹介され、今後の創薬活動に活かせる多くの情報を得ることができました。さらに、最近注目されつつあるPETについての講演は非常に興味深いものでした。ReceptorのAntagonistは、そのReceptorに対するラベル化されたリガンドを用いることや、Antagonist自身のラベル体を用いることにより、開発早期に人におけるPharmacodymamicsを推定することが可能となり、PETが臨床開発の推進につながる有用なツールとなり得ることを改めて認識しました。 来年の年会はISSXと合同開催ということで、海外を含め多くの研究員の方々とDiscussionができることを期待しております。
東田 敦子 (中外製薬株式会社 前臨床研究第一部)
第19回動態学会年会にポスター発表という形で参加させて頂きました。会場は駅から至近で交通の便が良く、会場と会場の移動がスムーズで快適に先生方の発表を拝聴することが出来ました。ポスター掲示時間には終日というゆとりのあるお時間をいただき、多くの方にポスターを見ていただけたように思います。また、多くの方に興味を持っていただき、有意義なディスカッションをしていただくことが出来ました。種々機関のさまざまな分野の方から発表に対するご意見、ご感想をいただけたことで、これから先の研究生活に非常に多くの勇気とエネルギーをいただきました。本当にありがとうございました。これを機会に多くの方々と意見交換の場を広げ、患者さまにとってより良い薬を開発するために求められているハードルをひとつひとつ越えて行けたらと思います。先生方のご発表では、シンポジウムとその後のディスカッションを非常に興味深く拝聴しました。私が特に興味を持って伺ったのはトランスポーターの会場でしたが、企業を含む各研究機関の先生方の研究成果を拝聴後、研究に携わっていらっしゃる先生方の生の声を聞かせていただくことが出来ました。特にディスカッションでは声を大きくして熱心に語られる先生方の気迫と熱意を肌で感じることが出来、非常に有用な情報を得ることが出来ました。今後の先生方のご活躍をわくわくした気持ちでお祈りしております。 また、本年会では私達の発表に対し、ベストポスター賞という過分な賞を頂き本当にありがとうございました。この機会を与えてくださいました多くの方々、学会参加にご尽力いただきました皆様、そして本賞に選考してくださいました皆様に心からお礼を申し上げます。
小林 雅典 (三菱ウェルファーマ株式会社 安全性研究所)
第19回目を迎えた日本薬物動態学会年会が,2004年11月17日から19日までの3日間,金沢市の石川県立音楽堂および金沢全日空ホテルで開催されました.学会期間中の金沢は,すっきりしない雨まじりの天候が続きましたが,その分,学会に集中することができました.今年も口頭およびポスター発表に数多くの演題がエントリーされていましたが、特筆すべきは英語での口頭発表が推奨されていた点だと思います.来年のISSXとの合同学会を想定した準備段階としての意味合いが大きかったと思われましたが,英語による,より説得力のある説明の仕方や聴衆を引き付けるノウハウの重要性を改めて痛感するとともに,とりわけ私自身,今後もより語学力の向上に努める必要があると考えられました.今回,私達はポスター発表の機会を得たのですが,ポスター発表の演題数は2日間で200ほどあり,会場は色とりどりのポスターと非常に多くの参加者で賑わっていました.私は安全性評価に関わっているのですが,近年の演題中には,医薬品あるいは医薬開発候補品の安全性評価におけるTK/TD(PK/PD)の積極的活用に関する演題が比較的少ないような印象を受けています.このような演題がもう少し増えると安全性評価に携わる方にとりましてもより魅力的な学会になると感じています.今回,私達はポスター発表をとおして,短い時間でしたが,発表内容に関係する話やその他いろいろなお話をさせていただいたり,教えていただいたりする機会が得られ,非常に有意義でした.私達,製薬メーカーの中堅・若手研究員にとって,ポスター発表における質疑応答は,他社メーカーの方や大学の先生方との情報交換を行える大変貴重な機会であり,これからも演題発表を念頭に入れた形で学会参加することにより自己研鑽に努めていきたいと考えています.最後に,金沢で食した海の幸およびお酒が大変美味しかったことを付け加えておきたいと思います.
岩野俊介 (北海道大学大学院薬学研究科 代謝分析学分野)
今回,3 年ぶりに日本薬物動態学会年会に参加させていただきました.3 年前とはずいぶん変わったことに大変驚きました.最初に驚いたのは学会の国際化に向けて講演要旨の英文化および英語での発表の推奨です.今回,私も英語で発表させていただきましたが,初めての英語での発表でしたので大変緊張しました.現在,日本のどの分野においても国際化が推し進められていることを考えますと学会の国際化は非常に重要なことと思いますし,今回の英語での発表は自分自身大きな経験となったと思います.また研究の面においても薬物動態に関わる研究の発展の早さに驚かされました.特に in silico の系で薬物代謝酵素,核内受容体,およびトランスポーターなどの基質を探索するような研究が発展している事であります.3 年前に参加した時には,ほとんど in silico の系を用いた検討はなされていなかったように記憶しております.近年,構造生物学の発展が目覚しい中,薬物動態の研究も例外ではなくこういった検討が必要となっていることを勉強させていただきました.今後の自分自身の研究に少しでも生かしていけたらと思っております.少し残念に思うこともありました.それは他の学会と比較して,若手の人(大学院生の皆さん)が学会で発言していることが非常に少ないことです.これからの薬物動態の研究(製薬企業およびアカデミックにおける研究の両方を含む)を引っ張っていくのはまさにこの世代の人たちと思います.積極的に学会で発言し,よい議論を深めることは個々の研究また学会全体にとっても非常にプラスとなることと思います.是非,若手の研究者の皆さん,積極的に学会に参加し,よい議論を深めて学会全体を盛り上げていきましょう.最後になりましたが,日本薬物動態学会がますます発展することを心よりお祈り申し上げます.
小澤 正吾 (国立医薬品食品衛生研究所 薬理部)
日本薬物動態学会の国際交流を盛んにするための方策の一環として、年会講演要旨集の英文化、および口頭発表を英語で行うことが奨励された。この改革によって、演題数が伸びなくなることを危惧する向きもあったかと思うが、実際には演題数が増えたと聞き、本学会のポリシーがよく理解されたことの現われだと推察した。本学会の年会ではいつも感心しきりで拝聴するのが特別講演である。一つだけ言及させていただくが、特別講演3の新規プロスタグランジンプローブを化学合成技術の粋を使って作製し、脳内のIP2レセプターの脳内局在をPETイメージングで成功させたストーリーに感銘を覚えた。立ちはだかる困難を次々克服されたり、プローブを講演者の鈴木正昭先生自らボランティアとなって使われたりするなどわくわくする思いで拝聴した。薬物動態研究との関係は必ずしも深くはないかもしれないが、重要なヒントを頂く場合も多く、ハイレベルの研究を拝聴する機会を与えてくださる関係の諸先生方に感謝している。年会時の会場の分け方が、おおよそ「代謝酵素」と「薬物トランスポーター」となっている。昨今、個別化薬物療法を目指す研究者など、「代謝酵素」と「薬物トランスポーター」の枠にとらわれず、幅広く講演を聞きたいと考える研究者が多くなっていると思う。あちらこちらの会場を渡り歩き、進行具合によっては聞きたい演題を逃すこともあるのではないかと感じる。年会プログラム編成上、非常に難しい課題かと思うが、それだけハイレベルで興味を惹く演題が多く、会員を忙しくしてくれる程に本学会の質が上がっているということだろう。
澤村 良子 (三共株式会社 薬剤動態研究所)
この度、久しぶりに、念願であった動態学会に参加させていただきました。学生時代以来の聴講でしたが、トランスポーター、代謝酵素、PK解析などの基礎的な研究発表に加え、医薬品開発や臨床の多岐にわたる実際的な内容が発表されており、以前にも増して薬物動態の担う役割が大きくなっていることを実感しました。普段、基礎研究に関わる機会が少ないため、最新の知見を得ることができたことも大きな収穫でしたが、製薬企業より多数発表されていた創薬スクリーニングについての演題は仕事に直結した内容でしたので、大きな刺激を受けました。発表を聴き、演者の先生方と話すことにより、動態に優れ、より安全な薬を創れるよう邁進し、社会に貢献してゆきたいという創薬に対する意欲が改めて湧いてきました。また、フォーラムでは早期ヒト臨床試験として、マイクロドージングの提案がされていましたが、医薬品開発の時間短縮のために有用でかつ重要な手法であることを認識しました。日本ではまだ解決すべき課題があるものの、学会等でその重要性を訴えることにより浸透していってほしいと思います。ところで、私事になりますが、金沢へ行くのは今回が初めてでしたので、そのことも楽しみでした。金沢では美味しい海の幸、山の幸を堪能させていただく機会もございましたが、とても印象的であったのは、講演終了後、ふと見上げた夜空に沢山の星がきらめいていたことです。学会聴講によって得られた充実感と相乗して、明日への活力が込み上げてきました。来年、日本薬物動態学会は創立20回記念を迎えられますが、今後の更なる御発展をお祈り申し上げます。
星野 浩一 (東北薬科大学 第一薬剤学教室)
今回,薬物動態学会年会には昨年の札幌に引き続き2回目の参加となりました.本年会より講演要旨集が英文化され,口頭発表も英語での発表が増え,グローバルな学会となる中,私はポスターでの発表を行いました.質疑応答では多くの方とのディスカッションをすることができ,私にとってとても有意義な時間となりました.また,本年会ではシンポジウムの主題にもなった核内レセプターに関した演題が昨年よりも増え,この領域が重要視されていることが実感できました.核内レセプターを中心とする細胞内における分子的機構の研究報告はそれらが核内で特定の標的遺伝子の転写を制御することでCYP等の酵素活性と密接に関連しており,これからのテーラーメイド医療に深く関わっていくのではないかと考えられました.私は来年度より病院薬剤師として働く予定ですが,今回の年会参加を通して得られたものを糧として,薬物動態の知識を臨床に生かしていけるような薬剤師となれるよう努力したいと思います.最後に今回の年会参加にあたり,ご指導いただきました先生方に心より感謝いたします.
有村 勉 (株式会社フェニックスバイオ キメラマウス事業本部)
私は、昨年まで食品生化学の分野で研究を行っており、薬学分野に転向して後、初めての学会の参加が、第19回日本薬物動態学会年会でした。初めての薬学分野の学会参加ということで驚くことばかりでしたが、日本国内の学会である本学会年会の要旨集や発表が主に英語であったことは、私がこれまで参加した学会では経験したことがないものでした。また、次回の年会はISSXとの合同で行われるとのことで、薬物動態分野における研究の国際化を実感しました。 私は現在、薬物相互作用の研究に携わっていることもあり、今回の御講演や御発表の中で、特に興味を持って聞かせていただいたのは、トランスポーターやCYPの転写調節や発現、機能に関するものでした。口頭発表、ポスター発表では研究者の方々の活発なDiscussionは、私にとって大変刺激的であるとともに、今後の研究を進めるにあたり、非常に有益な情報を得ることができました。また、シンポジウム、フォーラムを聞かせていただき、in vitro実験と臨床研究のbridgingの重要性をあらためて実感しました。今回の年会にて、我々の研究グループのキメラマウスに関するポスター発表の機会をいただきました。多くの研究者の方々に興味を持っていただけていることを感じるとともに、様々な専門分野の方とのDiscussionを通じて重要な多くの情報を得ることができたことは、今後の研究を進める上で非常に有意義なものであったと思います。また、多くの製薬会社、大学の研究者の方々と交流を持つことができ、今後の事業活動にとって大いに参考になるご意見をいただくことができました。本当にありがとうございました。 来年のISSXとの合同大会では様々な研究者とのDiscussionを楽しみに研究に精進するとともに、語学力向上にも努めていきたいと考えております。
出口 恒夫 (熊本大学 薬物動態制御学講座)
第19回日本動態学会年会にポスター発表という形で参加させて頂きました.発表当日には,多くの方にポスターを見ていただき,また,有益なアドバイスをたくさん頂きました.今後の研究展開において貴重な意見を下さいました各大学の先生方,また大学院生の方々に大変感謝しております.薬物動態学会への参加は今年で5回目になりますが,毎年,興味深い演題が多く,各会場を走り回って拝聴させて頂いている状態です.私の大学院生活を振り返りましても,本学会から受けた影響は非常に大きかったと思います.先生方の最先端研究およびその研究戦略には,ただただ感動するばかりでしたが,そればかりではなく研究への熱い情熱と研究哲学を肌で感じる機会を頂けたことは,私の研究へのモチベーションを高める大きな原動力になったと思います.本学会で得た知識と理念を忘れることなく、これからも研究に邁進して参りたいと思います.
藤井 亜矢子 (千葉大学大学院 医学薬学府 総合薬品科学専攻)
今年は去年に続き二度目の参加となりました。今回は、英語での口頭発表という去年とは全く異なる形式のため、英語のプレゼンテーションの経験のない私には大きな不安がありました。しかし、準備を進めていく中で、たくさんの収穫を得ることが出来ました。その中でも、英語で原稿を書くということは、私にとって非常に新鮮な経験でした。これまでは特に意識せず英語論文を読んでいましたが、いざ自分が英語で原稿を書くとなると、適切な言い回しが浮かばず、論文をひっくり返して探すという作業の連続となりました。英語で書かれている文章を読んで理解することはできても、自分で英文を書くということの難しさを痛感した次第です。発表の準備でも、発音練習にもかなりの時間を費やしました。しかし、ネイティブスピーカーに原稿を読んでもらい、そのテープを繰り返し聞きながら真似して話すことで効率的に練習できたと思います。普段の研究生活の中ではこのような実践的な英語の練習ができる機会はほとんどなかったので、とても貴重な体験になりました。さらに、今回、会場で数多くの英語での口頭発表を聞いたことが大きな刺激となり、英語の勉強を続けていきたいという想いがますます強くなりました。英語の発表という薬物動態学会の新しい試みは、私にとって貴重な体験でした。是非、来年以降も続けていただければと思います。また、今回年会に参加して普段はあまり触れることのない他の分野の研究内容も勉強することができ、知識を深めるとともに、様々な分野に対して興味を持つようになりました。学生生活も残りわずかですが、今回の動態学会で得た貴重な経験を生かし、修士論文の完成に向けて最後まで頑張っていきたいと思います。
平山雅通 (東京理科大学 修士2年)
本動態学会年会では、口頭発表という貴重な体験をさせていただきました。初めての口頭発表でしたので、準備にはかなりの時間を要しましたが、有意義な質問を多く頂いたことで今後の研究活動における良い励みになりました。また、今後英語でのプレゼンテーション能力を身に付けることの重要性も痛感いたしました。本学会ではいくつもの口頭発表やポスター発表が同時刻で行われていたため全てをフォローすることはできず、得た知識も分野が偏っているとは思いますが、薬物動態領域における他分野の方の研究内容に触れることができたのも大きな収穫でした。今回の年会で得たものを十分に活かして、今後の研究に取り組みたいと思います。今回の年会参加にあたり、ご指導いただきました先生方に感謝すると共に、今後の日本薬物動態学会のさらなるご発展を心からお祈り申し上げます。
成富 洋一 (藤沢薬品工業株式会社 創薬推進研究所)
薬物動態学会には2年ぶりの参加です。また金沢を訪れるのはなんと20年ぶりです(金沢駅とその周辺の変貌に大変驚いています)。今回薬物動態学会に参加して特に目を引いたのは、新しい技術・方法論を駆使し、新たなパラダイムを展開しようとする積極的な姿勢です。薬物動態学は本来、薬物速度論・生化学・分析化学等、複数の分野から成り立つ複合領域です。したがってこの成り立ちを考慮してもこうした姿勢は自然なのかもしれません。それに加えて薬物動態学に求められるのは基礎研究のみならず、医薬品開発や医療への貢献を指向した応用科学としての姿勢だと思います。この点においても参考になる発表にいくつも接することができました。今後の研究に生かしたいと考えています。最後になりましたが、本年会の企画・運営にご尽力いただいた先生方に深く感謝します。