Newsletter Volume 35, Number 4, 2020

Newsletter Volume 35, Number 4, 2020

はじめに

 令和2年の夏をいかがお過ごしでしょうか? 7月豪雨の被災地の皆様の安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます.また,いったん収束したかに見えた新型コロナウイルス感染症ですが,再び感染者が急増しており,社会全体が重苦しい雰囲気に包まれています.そんな中,2020年のJournal Citation Reportが公開され,DMPKの2019年インパクトファクター(IF)が2.772となったことが報告されました.前回IFと比較して大きな飛躍です.久しぶりの清々しい前向きなニュースに嬉しくなりました.先行きを見通すことが難しい時こそ,知的探求心を忘れずに,目の前のテーマを一つ一つ着実に進めて成果を公表するとともに,質の高い情報を参照することの意義を改めて感じます.会員の皆様におかれましては,引き続き,DMPKとNLの活性化にご協力よろしくお願いいたします.(N.N.)

 

特集記事のご紹介

トピックス

 新規発見や手法の開発など学問の発展に伴い,医薬品等の研究開発から市販後の評価項目やその手法は絶えず進化しています.それに呼応して,日米欧の規制当局およびICH等からの規制情報も随時更新されています.ここでは,医薬品開発に用いる最新の技術・知見,医薬品審査の規制情報及びそれらに関連する情報のトピックスを紹介していきます.本記事を通じて,会員各位の業務に有効にお役立ていただければ幸いです.

NEW FACE – NEW POWER

 「NEW FACE – NEW POWER」では,産学問わず今後の活躍が大いに期待される新任・若手の先生に御登場いただくことで,会員の皆様に広く先生を知っていただく機会とするとともに,新たな活力・刺激を本会にもたらすことを趣旨としています.そこで執筆いただく先生には,これまでの御略歴を含めて自己紹介をしていただくとともに,御自身の研究の展望や本会・本分野への期待・提言などを忌憚なく積極的に綴っていただくことをお願いしております.御登場いただく先生方はいずれも薬物動態学の将来を担う希望の星と期待されます.本コーナーが,本会において『新たな若いPOWERを全体で育んでいく風土』を醸成し,新旧会員の相互発展の一助となることを大いに期待しています.自薦・他薦問いませんので,是非本コーナーでの執筆希望を編集委員までお寄せください.

企業で活きる薬物動態の基礎講座(ニュースレター編)

 このコーナーは日本薬物動態学会第34回年会にて好評を得た「企業で活きる薬物動態の基礎講座」のセッションでご発表いただいた平林英樹先生および貝原徳紀先生に誌上にてその内容を再構成していただいたものです.特に創薬現場での薬物動態研究で必要な知識,技術,考え方を分かりやすく解説する講座として設けました.基礎的な内容であればあるほど,なかなか人には聞きにくいものであり,本で調べても記載していないことも多々あります.企業研究者だけでなく,これから企業での薬物動態研究を目指す学生にとっても貴重な情報になると思われます.ご期待ください.