Newsletter Volume 34, Number 5, 2019
はじめに
まずはお知らせから.本年のJSSX年会が12月9日より開催されます.多くの方にご参加いただき,参加者同士の交流を通じて新たな視座を得,今後の研究活動に活かしていただけましたら幸いです.さて,私事になりますが,4月から薬物動態研究とは離れた部署に異動致しました.結果,このニュースレターの編集作業が薬物動態研究に直接触れることのできる数少ない貴重な機会となっております.本編集作業を通じて新たに吸収できることは非常に多く,引き続き担当させていただける事に感謝しております.編集委員として著者の皆様に感謝しつつ,読者の皆様の知的好奇心を満たす記事をお届けし続ける責務に,改めて気持ちを引き締めてまいります.(D)
特集記事のご紹介
若者へのメッセージ
このコーナーは,研究の第一線を退かれた先生方が,現役時代どの様なことを考え研究を進められたのか,創薬研究の最前線はどうであったか,学会の運営にどの様にあたってこられたか等,後進に語りかけて頂ける様なシリーズを設けたいと思い「若者へのメッセージ」を企画したものです.若者とは若手研究者の事ではなく,メッセージを送る側から見た若者であり,年齢とは関係はありません.先達のメッセージから,ブレイクスルーのヒントが得られればと願っています.
若手が取り組む動態研究
これからの薬物動態研究を支える若手研究者に御登場いただき,最新の研究内容を紹介していただくコーナーです.薬物動態学は絶えず進化しており,薬の動きを研究する学問から,新たな方向に広がっていることを感じます.本コーナーを通して,これからの薬物動態学の潮流を創り出す若手研究者の最新の研究動向を伝えます.若手研究者の斬新なアイデアや研究パワーを実感いただけることでしょう.
NEW FACE - NEW POWER
「NEW FACE - NEW POWER」では,産学問わず今後の活躍が大いに期待される新任・若手の先生に御登場いただくことで,会員の皆様に広く先生を知っていただく機会とするとともに,新たな活力・刺激を本会にもたらすことを趣旨としています.そこで執筆いただく先生には,これまでの御略歴を含めて自己紹介をしていただくとともに,御自身の研究の展望や本会・本分野への期待・提言などを忌憚なく積極的に綴っていただくことをお願いしております.御登場いただく先生方はいずれも薬物動態学の将来を担う希望の星と期待されます.本コーナーが,本会において『新たな若いPOWERを全体で育んでいく風土』を醸成し,新旧会員の相互発展の一助となることを大いに期待しています.自薦・他薦問いませんので,是非本コーナーでの執筆希望を編集委員までお寄せください.
学会 道しるべ
「学会 道しるべ」では,薬物動態という枠組みにとらわれず,日本薬物動態学会の会員にとって役に立つと思われる学術集会を取り上げ,それらの予告または集会の内容や雰囲気などを報告していただくことを目的としています.薬物動態研究者は,産学のいずれにおいても,単なる薬物の動態の枠組みを超えて,薬効評価や病態解析など多方面において活躍されていることと思います.そのような状況の中で,会員諸氏にとって役に立つような学術集会を紹介できるコーナーを目指しています.会員のみなさまから興味のある学術集会についての情報をお知らせいただければ,このコーナーで取り上げるつもりですので,ぜひお寄せください.
企業で活きる薬物動態の基礎講座
このコーナーは日本薬物動態学会第33回年会にて好評を得た学会活性化委員会「企業で活きる薬物動態の基礎講座」のセッションでご発表いただいた大石昌代先生に誌上にてその内容を再構成していただいたものです.このセッションは,薬物動態研究で必要な知識や技術を分かりやすく解説する講座として設けました.これらの知識や技術の中には,身近な人に平易に解説してもらうことが容易でなく,本で調べても記載していないことも多々あります.そこでこれらを企業で実際に活用しておられる薬物動態のプロフェッショナルを講師に迎えて解説していただき,その内容を本誌上にて再現しました.企業研究者だけでなく,これから企業での薬物動態研究を目指す学生にとっても貴重な情報になると思われます.ご期待ください.