Newsletter Volume 34, Number 2, 2019
はじめに
みなさま,いかがおすごしでしょうか.春の訪れとともに花粉の脅威を感じる季節となりました.花粉対策としてマスクの着用は欠かせませんが,海外,特に欧米でのマスクの使用にはご注意を.公共の場でマスクを着用する習慣がないため,重病人と間違えられる可能性が高いです.
さて,平成も残すところ数日となり,いよいよ令和が始まります.新時代での皆様のさらなるご活躍をお祈りします.
今号では2つの特集記事を紹介します.「NEW FACE - NEW POWER」では,帝京大学薬学部の手賀悠真先生より,ニコチン輸送研究との出会い,そして将来への意気込みを含めたメッセージを寄せていただきました.
「企業で活きる薬物動態の基礎講座(ニュースレター編)」では,ファイザーR&D合同会社 クリニカル・ファーマコロジー部の大石昌代先生より「いまさら聞けない母集団薬物動態(PPK)解析の基礎 – PPKのすばらしさを実感しよう!(4回シリーズ その1)」をご寄稿いただき,臨床試験におけるPPK解析,またその利用性や必要性について,非臨床の薬物動態研究者や学生にとってもわかり易く紹介いただきました.
最後に「DMPK 34(2)に掲載された各論文の著者から読者へのメッセージ」がありますので,ご活用ください.
引き続きニュースレターのご愛読をよろしくお願い申し上げます.
特集記事のご紹介
NEW FACE - NEW POWER
「NEW FACE - NEW POWER」では,産学問わず今後の活躍が大いに期待される新任・若手の先生に御登場いただくことで,会員の皆様に広く先生を知っていただく機会とするとともに,新たな活力・刺激を本会にもたらすことを趣旨としています.そこで執筆いただく先生には,これまでの御略歴を含めて自己紹介をしていただくとともに,御自身の研究の展望や本会・本分野への期待・提言などを忌憚なく積極的に綴っていただくことをお願いしております.御登場いただく先生方はいずれも薬物動態学の将来を担う希望の星と期待されます.本コーナーが,本会において『新たな若いPOWERを全体で育んでいく風土』を醸成し,新旧会員の相互発展の一助となることを大いに期待しています.自薦・他薦問いませんので,是非本コーナーでの執筆希望を編集委員までお寄せください.
企業で活きる薬物動態の基礎講座
このコーナーは日本薬物動態学会第33回年会にて好評を得た学会活性化委員会「企業で活きる薬物動態の基礎講座」のセッションでご発表いただいた大石昌代先生に誌上にてその内容を再構成していただいたものです.このセッションは,薬物動態研究で必要な知識や技術を分かりやすく解説する講座として設けました.これらの知識や技術の中には,身近な人に平易に解説してもらうことが容易でなく,本で調べても記載していないことも多々あります.そこでこれらを企業で実際に活用しておられる薬物動態のプロフェッショナルを講師に迎えて解説していただき,その内容を本誌上にて再現しました.企業研究者だけでなく,これから企業での薬物動態研究を目指す学生にとっても貴重な情報になると思われます.ご期待ください.