Newsletter Volume 33, Number 6, 2018

Newsletter Volume 33, Number 6, 2018

はじめに

 早いもので,平成30年も終わりを迎えようとしております.年々1年すぎるのが早くなっていく気がしております.今年は本庶 佑先生のノーベル医学・生理学賞受賞という嬉しいニュースや2025年の国際博覧会の開催地が「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにした大阪に決定などわくわくするようなニュースがありました.

 本年最後のニュースレターでは,動態学会の各賞を受賞された先生方(学会賞:大森 栄先生,奨励賞:山口浩明先生,深見達基先生,創薬貢献・北川賞:千葉雅人先生)より受賞コメントをご寄稿いただきました.各先生方の研究に対する想いの一端を垣間見ることのできる内容となっております.

 本年は薬物相互作用ガイドラインが最終化されましたが,このようなガイドラインなどのレギュラトリーサイエンスの情報を動態学会ニュースレターで定期的に発信していきます.新設した「動態学会ニュースレター発:レギュラトリーサイエンス情報」のコーナーを活用していただけると幸いです.

 また,今回より「若手が取り組む動態研究」と題して若手研究者の方に研究内容を紹介いただくコーナーを新設いたしました.第一回は東京理科大学 草森浩輔先生より細胞移植治療における細胞の体内動態制御の研究をご紹介いただいております.ぜひご一読ください.

 「NEW FACE – NEW POWER」では慶應義塾大学 野口幸希先生よりご寄稿いただきました.薬物動態研究との出会い,そして今後の展望について熱いメッセージを記載いただきました.

 そして,今号の「学会 道しるべ」は,平成30年度若手研究者海外発表支援事業に採択された東京大学 望月達貴先生および熊本大学 池上孝明先生より10月に開催された動態学会およびMDO合同年会の参加報告です.お二人よりご自身の発表の模様や特に興味をもったご講演内容につき紹介いただきました.

 最後に「DMPK 33(6)に掲載された各論文の著者から読者へのメッセージ」がありますので,ご活用ください.

 今回も多くの話題をお届けいたしましたが,皆さまにお楽しみいただければ幸いです.

 皆さま,良いお年をお迎えください.

特集記事のご紹介

若手が取り組む動態研究

 これからの薬物動態研究を支える若手研究者に御登場いただき,最新の研究内容を紹介していただくコーナーです.薬物動態学は絶えず進化しており,薬の動きを研究する学問から,新たな方向に広がっていることを感じます.本コーナーを通して,これからの薬物動態学の潮流を創り出す若手研究者の最新の研究動向を伝えます.若手研究者の斬新なアイデアや研究パワーを実感いただけることでしょう.

NEW FACE – NEW POWER

 「NEW FACE – NEW POWER」では,産学問わず今後の活躍が大いに期待される新任・若手の先生に御登場いただくことで,会員の皆様に広く先生を知っていただく機会とするとともに,新たな活力・刺激を本会にもたらすことを趣旨としています.そこで執筆いただく先生には,これまでの御略歴を含めて自己紹介をしていただくとともに,御自身の研究の展望や本会・本分野への期待・提言などを忌憚なく積極的に綴っていただくことをお願いしております.御登場いただく先生方はいずれも薬物動態学の将来を担う希望の星と期待されます.本コーナーが,本会において『新たな若いPOWERを全体で育んでいく風土』を醸成し,新旧会員の相互発展の一助となることを大いに期待しています.自薦・他薦問いませんので,是非本コーナーでの執筆希望を編集委員までお寄せください.

学会 道しるべ

 「学会 道しるべ」では,薬物動態という枠組みにとらわれず,日本薬物動態学会の会員にとって役に立つと思われる学術集会を取り上げ,それらの予告または集会の内容や雰囲気などを報告していただくことを目的としています.薬物動態研究者は,産学のいずれにおいても,単なる薬物の動態の枠組みを超えて,薬効評価や病態解析など多方面において活躍されていることと思います.そのような状況の中で,会員諸氏にとって役に立つような学術集会を紹介できるコーナーを目指しています.会員のみなさまから興味のある学術集会についての情報をお知らせいただければ,このコーナーで取り上げるつもりですので,ぜひお寄せください.