Newsletter Volume 33, Number 5, 2018

Newsletter Volume 33, Number 5, 2018

はじめに

 平成最後の夏は,猛暑に加えて,豪雨,台風,そして大地震と,立て続けに大きな災害に見舞われました.被災者の方々には,心よりお見舞いを申し上げます.一方で,本年の年会(MDOとの合同開催)は金沢にて催されましたが,食欲の秋を満喫された読者も多くいらっしゃることでしょう.

 今号の「若者へのメッセージ」の第3回目(3回シリーズ)を元同志社女子大学 伊賀勝美先生より頂きました.今回のテーマは,「新薬開発における薬物動態研究の“むつかしさ”と“面白さ”」で,特に企業研究者には必読な内容です.

 続く「NEW FACE–NEW POWER」は,摂南大学薬学部 伴野拓巳先生と杏林製薬株式会社 荒川航人先生より頂戴いたしました.両先生の薬物動態学にハマっていかれる様子が窺えます.

 「学会 道しるべ」の一つ目は,東京薬科大学薬学部 白坂善之先生/金沢大学医薬保健研究域・薬学系 中西猛夫先生より頂いたThe 2nd Workshop for Korea-Japan Young Scientists on Pharmaceuticsの開催報告です.日韓薬剤学分野の未来を担う若手研究者がここから羽ばたいていくことでしょう.もう一つは,愛知学院大学薬学部 川嵜達也先生より記事を頂きました.カナダのモントリオールにて開催された22nd North American ISSX Meetingの報告で,海外の研究者たちと交流する姿が目に浮かびます.

 最後に,「DMPK 33(5)に掲載された各論文の著者から読者へのメッセージ」がありますので,ご活用いただければ幸いです.

 本ニュースレターが通勤のお供に,皆様のお役にたてれば幸いです.あと2か月余りで正月です.寒い時期の到来ですので,ご自愛ください.

特集記事のご紹介

若者へのメッセージ

 このコーナーは,研究の第一線を退かれた先生方が,現役時代どの様なことを考え研究を進められたのか,創薬研究の最前線はどうであったか,学会の運営にどの様にあたってこられたか等,後進に語りかけて頂ける様なシリーズを設けたいと思い「若者へのメッセージ」を企画したものです.若者とは若手研究者の事ではなく,メッセージを送る側から見た若者であり,年齢とは関係はありません.先達のメッセージから,ブレイクスルーのヒントが得られればと願っています.

NEW FACE – NEW POWER

 「NEW FACE – NEW POWER」では,産学問わず今後の活躍が大いに期待される新任・若手の先生に御登場いただくことで,会員の皆様に広く先生を知っていただく機会とするとともに,新たな活力・刺激を本会にもたらすことを趣旨としています.そこで執筆いただく先生には,これまでの御略歴を含めて自己紹介をしていただくとともに,御自身の研究の展望や本会・本分野への期待・提言などを忌憚なく積極的に綴っていただくことをお願いしております.御登場いただく先生方はいずれも薬物動態学の将来を担う希望の星と期待されます.本コーナーが,本会において『新たな若いPOWERを全体で育んでいく風土』を醸成し,新旧会員の相互発展の一助となることを大いに期待しています.自薦・他薦問いませんので,是非本コーナーでの執筆希望を編集委員までお寄せください.

学会 道しるべ

 「学会 道しるべ」では,薬物動態という枠組みにとらわれず,日本薬物動態学会の会員にとって役に立つと思われる学術集会を取り上げ,それらの予告または集会の内容や雰囲気などを報告していただくことを目的としています.薬物動態研究者は,産学のいずれにおいても,単なる薬物の動態の枠組みを超えて,薬効評価や病態解析など多方面において活躍されていることと思います.そのような状況の中で,会員諸氏にとって役に立つような学術集会を紹介できるコーナーを目指しています.会員のみなさまから興味のある学術集会についての情報をお知らせいただければ,このコーナーで取り上げるつもりですので,ぜひお寄せください.