Newsletter Volume 32, Number 3, 2017
はじめに
2017年度も早くも3カ月がたとうとしております.雨の中で綺麗に咲く紫陽花が心を和ませてくれる季節になりました.また,冷製メニューが待ち遠しくなってきている方もいらっしゃるのではないでしょうか.さて,今号のニュースレターも多岐にわたる話題にてお送りいたします.
今年度の年会ではDIS(ディレクターズイニシアチブセッション)主催のシンポジウムが企画されております.今号より各DISに関連した薬物動態学のビジョンやシンポジウム内容を共有いただくことにいたしました.今回は,Pharmacometrics 1 DIS,Pharmacometrics 2 DIS,および分子イメージングDIS委員会のご担当の先生方よりご寄稿いただきました.また,「Researcher Spotlight」は北海道大学病院薬剤部 小林正紀先生より“臨床と基礎”をキーワードにご投稿頂いております.シリーズで掲載してきておりました「企業で活きる薬物動態の基礎講座」は最終回となります.第一三共株式会社 中山慎太郎先生より,薬物動態パラメータの伝え方の”あるある”をご紹介いただいております.また,同じく3回シリーズの最終となります岩手医科大学薬学部の薬物代謝動態学講座の研究紹介を幅野 渉先生より頂きました.今号も多くの話題をご用意いたしましたので,お楽しみいただけると幸いです.
特集記事のご紹介
Researcher Spotlight
このコーナーでは,大学,企業,医療機関等で精力的に活躍されている先生方に登場いただき,御自身の研究・仕事への想い,教育・人材育成の考え方,将来展望や学会への期待などを述べていただきます.「Spotlight」を浴びながらの自由闊達な自論展開にどうぞご期待下さい.
アドメサークル 日本の薬物動態研究組織
「アドメサークル 日本の薬物動態研究組織」は,企業または教育・研究・医療機関において動態関連の組織の立ち上げに関与した先生,あるいは主導的な立場でご活躍された先生方にご寄稿いただき,薬物動態学会として,そのご経験を共有することを趣旨とした記事を連載しております.単なる研究概要の紹介にとどまらず,研究に至った経緯や,その達成のためのエッセンスをご執筆いただいております.本記事が,会員の皆様にとって研究遂行のためのヒントとなれば幸いです.
企業で活きる薬物動態の基礎講座
このコーナーは日本薬物動態学会第31回年会にて好評を得た学会活性化委員会DIS「企業で活きる薬物動態の基礎講座」のセッションでご発表いただいた中山慎太郎先生に誌上にてその内容を再構成していただいたものです.特に創薬現場での薬物動態研究で必要な知識や技術を分かりやすく解説する講座として設けました.基礎的な内容であればあるほど,なかなか人には聞きにくいものであり,本で調べても記載していないことも多々あります.企業研究者だけでなく,これから企業での薬物動態研究を目指す学生にとっても貴重な情報になると思われます.ご期待ください.