Newsletter Volume 38, Number 4, 2023

Newsletter Volume 38, Number 4, 2023

はじめに

 梅雨が明けたと思ったら,8日連続で35℃以上の猛暑日が続いております.猛暑と合わせて注意したいのが,ゲリラ豪雨による天気の急変です.強い太陽光によって地表付近の空気が温められ,上昇気流に伴い発達した積乱雲が発生します.この積乱雲が局地的に短時間で強い雨を降らせることで,いわゆるゲリラ豪雨が発生します.ゲリラ豪雨は,台風などに比べるとかなり規模の小さい現象のため,現状まだまだスーパーコンピュータでも正確に予測ができないそうです.そのため,今実際に起きている状況を確認することが一番正確なため,ゲリラ豪雨が発生しているような時は,スマホアプリの「雨雲レーダー」を参照しています.皆様も,突然の予測不能なゲリラ豪雨にはお気を付けください.

 さて,9月末に静岡にて開催される日本薬物動態学会第38回年会はシトクロムP450国際会議との国際合同大会となっております.テーマが,「ライフサイエンスと創薬における新たな知と技の発見 〜過去に学び,未来を知る〜」となっており,これまでの知見に学び予測不能な未来に心を踊らせる機会となりそうです.

 また今号のNLから,全5回の予定で新企画「今さら聞けない抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate: ADC)の体内動態研究」が掲載されます.「ADC」のmodalityから体内動態の特徴に関する内容など,必見の記事となっております.是非誌面の方をお楽しみいただければと存じます.(T.H.)

 

トピックス

ショート動画で簡単チェック! 2023年ICCP450/JSSX国際合同大会(静岡)一般シンポジウムの「見どころ・聞きどころ」

 ICCP450/JSSX国際合同大会(静岡:9/25~9/29)では,32の一般シンポジウムがパラレルに開催されるため,どれに行くのか迷ってしまいます.スケジュールを立てる際の参考にするため,各シンポジウムを紹介するショート動画を作成していただきました.各シンポジウムの要点をつかむため,是非ご覧ください.・・・(動画はNLホームページへ

今さら聞けない抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate: ADC)の体内動態研究

第1回:序論:ADCのコンセプトと構成要素

第一三共株式会社 薬物動態研究所 苅部 剛

 はじめまして!「細胞治療」に続くnew modalityの研究開発における薬物動態研究入門の第二弾は,「抗体薬物複合体(Antibody Drug Conjugate: ADC)」になります.「ADC」は,がん領域における承認薬物数がここ数年で飛躍的に増加しており,現在ではそのベースである「低分子」および「抗体」同様にバリデートされたmodalityといっても過言ではありません.そこで,今さら聞けない「ADC」の体内動態研究として,本シリーズではその特徴的な性質を薬物動態的観点からどのように評価していくかについて,自社での研究の取り組みも含めて全五回にわたりご紹介していきたいと思います.第一回は,本連載の導入として,「ADC」とはどのようなmodalityか,についてご説明致します.・・・(続きはNLホームページへ/会員専用