Newsletter Volume 36, Number 2, 2021
はじめに
約2か月半続いた首都圏の緊急事態宣言が3月21日に解除されましたが,変異ウイルスの広がりが懸念され,まだ,気を許せない状況となっております.その中で,新型コロナウイルスの感染を予防するために,2021年2月17日から日本における医療従事者を対象としたワクチン接種が開始され,高齢者,基礎疾患のある人,高齢者施設の職員及び16歳以上の一般の人と順次接種される予定となっています.接種するワクチンは,ファイザー社及びビオンテック社により共同開発されたRNAワクチンです.現在,世界中でワクチンの臨床試験が進められており,その中には国産のものも含まれています.有効性・安全性が認められたワクチンが世界に安定的に供給され,新型コロナウイルス感染症が収束に向かうことを願っています.一方で,RNAを使った新しいタイプのワクチンは,10年以上も前からがんやインフルエンザ感染症の治療のために研究されたRNAの知見が応用されたそうです.そのワクチンが世界中の新型コロナウイルス感染予防に利用されているのは,地道な研究の賜物であると感じています.薬物動態学会に所属する研究者の方も,将来の医療に貢献するために,試行錯誤を繰り返しながら,日々の研究に励んでおられると思います.そのような薬物動態研究者の思い,研究内容及び研究成果をNews Letterで発信し,支援していきたいと思います.今後共,よろしくお願い致します.ご意見・ご感想がありましたら,編集委員会まで頂ければ幸いです.(S.O.)
特集記事のご紹介
若手が取り組む動態研究
これからの薬物動態研究を支える若手研究者に御登場いただき,最新の研究内容を紹介していただくコーナーです.薬物動態学は絶えず進化しており,薬の動きを研究する学問から,新たな方向に広がっていることを感じます.本コーナーを通して,これからの薬物動態学の潮流を創り出す若手研究者の最新の研究動向を伝えます.若手研究者の斬新なアイデアや研究パワーを実感いただけることでしょう.