DMPK 33(3)に掲載された各論文の「著者から読者へのメッセージ」
[Review Article]
医薬品の非臨床及び臨床第Ⅰ相試験における遺伝子多型評価のための科学的情報
Hiratsuka, M., et al., pp. 141-149
平成24年度から厚生労働省の「革新的医薬品・医療機器・再生医療製品実用化促進事業」が開始されました.東北大学大学院薬学研究科では,本事業において,「ゲノム薬理学,バイオマーカーを用いた医薬品の有効性・安全性に関する評価方法」として採択され,国立医薬品食品衛生研究所(NIHS)及び独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)との連携の下,医薬品候補化合物の非臨床及び早期臨床試験を行っており,その過程で主として関与する薬物代謝酵素及びトランスポーターの遺伝子多型影響の評価を行ってきました.本論文は,事業の一環として連携各機関の協力を得て,主として日本人を対象に,医薬品の非臨床及び臨床第Ⅰ相試験における遺伝子多型評価のための,現時点での科学的情報をとりまとめたものです.なお,我々は,取りまとめた科学的情報を広く公開することにより,今後のガイドライン策定を志向した検討に際しての議論の基盤となることを期待しています.